「リセ」という言葉に反応したあなた、もしかしてオリーブ少女だったのではないでしょうか?「リセ」とはフランスの小粋で洗練された女子高生のファッションルックで、この言葉を有名にしたのは、1981年にマガジンハウスから創刊された雑誌『オリーブ』。その『オリーブ』よりももっと前に『anan』は「リセ」を読者に紹介していました。今回ピックアップしたananNo.111「リセの教科書」という特集では、帽子、スカート、ヘアなど11項目を21ページにわたって「リセ」ファッションを紹介。教科書というだけあって、ふんだんに写真を使いリセファッションのポイントを解説しています。さらに「安物買いは許さない」「1つのベレーを幾通りにもかぶる」など心意気やテクニックまでわかりやすく伝えています。
1970年代、『anan』では「リセ」に限らず様々なファッションを読者に紹介してきました。例えばそれは「アイビー」や「ニュートラ」。「アイビー」とはアメリカ東部の名門大学がつくる「アイビーリーグ」の学生達のようなトラディショナルなファッションで、ブレザーにチェックのスカートにローファーというスタイル。「リセの教科書」でも随所で「アイビー」と「リセ」の違いについての説明がありました。そして「ニュートラ」ことニュートラディショナルスタイル。実は「ニュートラ」も『anan』が発見したんです。『anan』No.107で「神戸っ子のファッション“ニュー・トラ”カジュアルな服を上品に、お嬢さんぽく着こなすのです」と紹介しています。
このようにファッションカテゴリーに加え、この頃の『anan』には「いま銀座で売れている服」「男が好きな服」「職場でめだつ爽やかな服」というページや特集もありました。現在、多くの女性ファッション誌はカテゴライズ化されてジャンルを絞っていますが、この時代はまだ全体的です。『anan』はファッション誌の先駆者として1970年代の女性に様々なファッションスタイルを提案していたのです。
1974年11月5日発売(11月20日号) No.111