初めての手相特集

1990年代の『anan』は恋愛特集と、バブル崩壊によって自分自身を見つめ直す特集が増えた時代。手相特集もその一つとして、1993年の『anan』No.885「手相でわかる、あなただけの運命。」が登場します。初めての手相特集というだけあって、歴史や的中率、線や丘の名称や説明、右手と左手どっちを観ればよいの？　というQ&Aなど、初歩からわかりやすく解説されています。手相について興味深く読み進められ、読み応えのある1冊です。
特集のタイトルに注目すると「手相の観方」ではなく、「あなただけの運命がわかる」といっています。当時、日本は不景気真っ只中で、多くの人が将来に不安をもっていました。そんな中『anan』は読者の不安を取り除くべく、ひとりひとりで異なる「手相」で運命を確かめてみようと提案したのです。

今回ピックアップしたページは、日笠雅水さんが監修されたページ。ちなみに、日笠さんはYMOの初代マネージャーを経て手相を観るようになられたのですが、この第一回目の特集から現在に至るまで『anan』の手相特集を監修してくださっています。
さて、このページでは恋愛と結婚に関する手相が解説されています。自分の理想と反する結果が出ていた読者もいたかもしれませんが、解説には“手相は資質的・運命的なことを表してはいる。良くない方向に引きずられやすい資質が表れていても、生き方や心の持ち方で変わる。そして、その印も必ず手相に現れる。（一部略）”と書かれています。ここを読んで自分の手相を変えるため、内面を磨き自ら運命を切り開こう！　と、勇気づけられた読者も多かったのではないでしょうか。
この後、手相特集は『anan』を代表する特集として継続されていきます。