1980年代の下着事情
新品の下着を初めて身に纏うとき、ドキドキワクワクしますよね。下着を選ぶとき、どのようなことを重視していますか? デザイン、機能、着け心地、素材、色、価格etc…今の私たちは下着1枚を購入する時に様々な選択肢があり、それぞれの希望や目的を叶えることができます。では、今から約40年前の1980年代初期はどうだったのでしょうか?
今回ピックアップした『anan』No.319では「シェイプパンツ100万枚売れた後で-最新下着事情」という特集が組まれています。このシェイプパンツとは1981年にワコールから発売された17色のパンツで、ガードルとショーツの中間のようなもの。当時、シェイプパンツをはいたカラフルなヒップがテレビ画面に映し出されるCMはかなり衝撃的で話題になり、売り上げ総数は年間280万枚に達したそう。
この特集では当時のブラについての記述もあるのですが、「(ファッション人間には)もはや常識となっていたノーブラ」「ブラジャーへの回帰現象」「透けることへの抵抗感がない」と今の固定概念で見るとちょっと驚きのワードが飛び出してきます。なぜノーブラが常識になっていたかというと、70年代のヒッピー文化、自然回帰の思想があったうえで、実際購入できるブラジャーはデザインやサイズが限られ、まるで「乳隠し」のように押さえつけられているみたいで「それならノーブラでも…」という人が多かったから。それがソフトで可愛く、サイズ展開も豊富なブラジャーが登場してブラ回帰現象が起こっているということでした。ただ、このソフトなブラジャーはとにかく「透け透け」で、隠すという機能はほぼありません。が、街頭インタビューをすると7割の女性が透けることへの抵抗感はないと回答しています。現代だとスケスケのブラジャーなんてありえないと感じる人が多いと予想しますが、時代が違うとこんなにも考えが変わってくるんですね。
今回は下着をピックアップしましたが、1980年代は女性にとって仕事、恋愛、遊び、結婚など様々な分野で急速に選択肢が広がっていった時代。『anan』はそんな目まぐるしく変化する世の中で生きる女性たちの味方として、時代を引っ張っていきました。
Contents
- 6
- アンアン・ルポタージュ●デザイナー人気投票による デザイナー人気と売行きの微妙な関係
- 12
- LIKE A BOY 男の子のように
- 19
- 安くても、デザイナーブランドのイメージは楽しめる
- 28
- バレンタインの日はおしゃれに ウルサイ男を1万円以下で手なづけるチャンス
- 37
- モデルたちの家・女主人 岩崎アキ子
- 42
- リレー対談 女+男●岩崎アキ子・坂本龍一
- 45
- 最近下着事情 シェイプパンツ100万着売れた後で
- 54
- 週間雑話倶楽部
- 56
- ファッション人間登場●勅使河原季里
- 60
- 映画●ベストフレンズ●永 千絵
- 61
- 舞台●市原悦子
- 62
- インフォメーション
- 63
- 本●見城美枝子
- 64
- アンアンミニコミ
- 66
- アンアン・アンケート募集
- 67
- ニューオープン
- 68
- ホロスコープ●エル・クインカーラ
- 71
- ELLE グレンチェックの調べ
- 76
- 堀内誠一の空とぶ絨緞23●ソ連へ5●レニングラード
- 79
- 仲世朝子のジンジャールーム●ボーイスカウトのように
- 81
- おしゃれ身の上相談●ヨーガン・レール
- 83
- ファッションニュース●パリで人気上昇中のデザイナー、アライア
- 88
- アンアン旅情特捜班●函館で楽しくスキー
- 90
- ジャスト・ミュージックマリアンヌ・フェイスフル
- 93
- レコード/コンサート
- 94
- 食いしん坊●山本圭&小川誠子の8店
- 97
- VITAL ストレッチ体操
1982年2月5日発売(2月12日号) No.319