2020 Mar. 10th

男(あなた)と住みたい 好きなら一緒に住めばいい

#369

好きなら一緒に住めばいい

ウーマンリブを謳い、女の一人旅を薦めるなど、創刊時からずっと女性の自立を応援してきた『anan』。ファッションやヘアスタイル、メイクなどの特集は男性にモテるためではなく、(多少は男性目線を気にしていましたが)読者自身の満足感を高めるためのものでした。このような特集が多かったので、当時の『anan』読者はモテや男性に興味がないのかと思いきや、そんなことありませんでした。なんと『anan』No.369では「男(あなた)と住みたい」という特集を組んでいます! お気づきでしょうか? 男性にモテる方法を指南するのではなく、読者には「すでに彼がいる」というのが大前提。大好きな彼と四六時中一緒にいる手段として同じ屋根の下に住むことを提案しているのです。例えば、彼の服を着る、部屋着にこだわる等『anan』らしくファッショナブルに同棲の楽しみ方を紹介しています。

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今回ピックアップしたページはこちら。不動産屋さんが、カップルが一緒に住むための部屋探しのポイントを教えてくれる企画です。気になるのはイラストの沿線図。よく見ると駅の横に「10」「8.3」など数字が振ってあります。この数字はその駅から徒歩10分以内で築3~7年の2DKアパート(6、4.5、DK5)の平均家賃です。表参道12、中目黒8.1など…。当時と今は物価が違うとわかってはいるものの、「安っ!」と思いませんか?
この号では同棲にまつわるトラブル(大家さんや両親等)、「こんな女(ひと)となら、一緒に住んでいい」という男性意見やさらには避妊についてまで言及しているのですが、その先にあるかもしれない「結婚」についてはほとんど触れていません。それもそのはず、日本において婚姻数のピークは1972年で、以後1987年のバブル景気前半期まで見事な右肩下がり。この号が発売された1983年は婚姻数が年々下がっている最中でした。1970年~1980年代前半は女性の生き方に選択肢が増えた時代。オシャレしたい、働きたい、遊びたい、彼とも楽しく過ごしたい、でも結婚はまだいいや…。そんな女性が多かったのかもしれません。
『anan』はその時代の世相を映し出す雑誌といわれることが多いのですが、当時も今と変わらず女性たちのニーズを捉えていたんですね。

Contents

6
逢っていても、逢いたい。だから男(あなた)と住む
8
男(あなた)と住んで 男(あなた)の服を着て
17
プチアンアン もち、ファッションもキマリ。メロンに続く東京ブラボー 1億円のゲームでストレス解消してみる? キクハトメうしろピン留めボタン…機能性追求型
22
彼の眼が気になるから、普段着に気を入れて
29
条件はマンション形式、2DKで10万円 彼と住むために、2人で部屋探し
37
アンアン・ルポタージュ 男と住む。さまざまなトラブル解消法
46
週間雑話倶楽部
55
彼と。スポーツ時間
61
生活感を追放して彼と住んでみたい
73
男たちはどう考えているか?こんな女となら、一緒に住んでいい
80
ミュージック●インタビュー●白鳥英美子
81
シネマ●マンハッタン映画散歩●渡辺祥子
82
アンアンミニコミ
84
アンアン・アンケート募集
86
男と暮らしたい女たちへの二、三の厳しい警告 男と住むための講座HOW TO LIVE WITH HIM
89
週末だけ、男(あなた)と住みたい
94
彼の「感性」がほしくて、彼と住んでみて
96
彼と住んで、彼と夜遊び
98
朝は清々しいメークを、彼にプレゼントする
100
三宅菊子 彼の料理は、遊びっぽくて、好き
103
彼のためにも、わたしのためにも、避妊
106
陽気なホノルル・マラソン報告記 次回は出場するぞ!
109
食いしん坊●どんぶりもの
110
イラストエッセイ⑥●ノー・スモーキング・ブギBYチムニー・ガール●川村麻子
112
今、売れている服●サンヨーコート
116
ホロスコープ●エル・クインカーラ

1983年2月18日発売(2月25日号) No.369