女を楽しもう！ 色褪せない女性でいたい

2000年代前半の『anan』を象徴する特集といえば「～な女になろう」シリーズ。「男前な女」「強運な女」「お金に強い女」「上質な女」など、 男女問わず人を惹きつける内面的なモテだったり、先行きの見えない世の中を強く生き抜く術を提案する企画が読者に好評でした。バブルが崩壊して10年以上不景気でしたが、それでも女性たちはアグレッシブで前向きだったからこそ、このような企画にニーズがあったのかもしれません。
少し景気が上向いた2006年、それまで「～な女になろう」と鼓舞されていた読者に、原点を振り返るような特集が登場します。『anan』No.1531「もっともっと「女」を楽しもう！」です。表紙は『anan』の「好きな女特集」で圧倒的な支持を得ていた山口智子さんが飾りました。

ピックアップしたのはこちらのインタビューページ。「女らしさを楽しむ」「知ることが重なっていく人生って、楽しい」「今、手を抜いたら、手を抜いた将来しかやってこない」etc.　このインタビューから10年以上経った今もなお輝いている山口智子さんの言葉は、説得力があります。また、この特集号では恋、ファッション、インテリア、メイクなどで「女としての楽しみ方」が提案されています。片思いや失恋を楽しみ、部屋にはキャンドルなど好きなものを置き、ラグジュアリーなファッションも試してみる…。少しありきたりのように感じてしまいますが、それまでの「～な女になろう」特集では、頑張ろう！　努力しよう！　と、女性を鼓舞していたことを考えると、大きな変化ではないでしょうか？　（ちなみに前々回ピックアップした「気楽に生きるためのオキテ151」もオキテが151もあったり、脱力系になるための努力をしようと指南しています）。頑張り、努力し続けた読者たちは2006年頃からやっと肩の力が抜けるようになったのかもしれません。
ちなみに、「～な女になろう」特集は2008年のリーマンショック以降、ほぼ登場せず、時代の流れにそって『anan』の特集は変化していきました。