1970年代のお正月の三が日は多くの店が休みでした。街はシーンと静まり返り、晴れ着を着て初詣に行く人も多かったのではないでしょうか。一方、現代のお正月は働き方改革で少しずつ変化しているとはいえ、コンビニやショッピングモールなど年末年始に休業しないところが多く、普段通りの装いで元旦から初売り等へ出かける人も多いようです。この40~50年間で日本のお正月の風景は大いに変わりました。それは当時の『anan』からも読み取れます。
今回ピックアップしたのは『anan』No.210、1979年のお正月号。表紙のモデルは着物を着てとても華やかです。 街の風景と同様、1970年代の『anan』のお正月号の表紙は、9冊のうち6冊が着物姿でした。また、その特集内容も今では珍しい着物特集が多く、着物に合うメイク、ヘアスタイル、小物をはじめ、着物を着て行きたいところなど、和装の楽しみ方を提案しています。そのほか、お正月料理、映画・イベント、初詣等の情報もあり、新年を楽しむためのガイドブックのようです。この『anan』No.210は、1978年10月にオープンした「ラフォーレ原宿」の影響があるからでしょうか、読者に「和服と洋服どちらにする?」と聞いています。このころから少しずつお正月の装いに変化があったようで、1980年代になると、お正月号で和装なのは1984年と1985年の2号だけになっていました。
そしてお正月号として注目すべきはやはり占い。1975年を除くすべての1970年代のお正月号では、年間の占い特集が組まれていました。新年の運勢が気になるのは今も昔も変わらないということですね。
1978年12月20日発売(1月5日号) No.210