2020 Feb. 18th

初の1冊丸ごとメイク特集

初の1冊丸ごとメイク特集

1980年代のメイク事情

メイクで自分らしさを

『anan』で大人気特集の一つ「モテコスメ」。トレンドコスメにときめいたり、最先端の美容テクノロジーやアンチエイジング情報を見て意気揚々としているかたも多いのではないでしょうか?
もちろん『anan』は創刊時から美容に関する特集を多く組んでいて、初のメイク大特集は1982年の『anan』No.318でした。当時の新作コスメやメイクテクニックの紹介なのかと思いきや、表紙の真ん中には「メークの常識に怒る!」とあります。該当ページを読んでみると、「欠点ばかりをカバーするとメークの楽しさが半減し、画一的になり自分らしさを生かしきれない」「個性派時代という言葉はファッションだけに当てはまるんじゃない」と、自分に合うメイクを楽しもうと提案しています。
※ 現在は「メイク」という表記ですが、1982年当時は「メーク」という表記でした。

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今回ピックアップした『anan』No.318のこのページは「ナチュラル・メーク(自分を生かすか)」と「メークアップ(自分を変えるか)」のテクニックを紹介しています。2010年代の『anan』コスメ特集であれば「モテコスメ」「シーン別メイク」等、他者に与える印象も考慮したメイクの紹介をしていましたが、このNo.318は自分のためのメイクだったことが伺えます。自分らしくいられるためのメイク、という流れは近年また一周して戻ってきているようです。

ちなみに、このメイク大特集の巻頭は当時爆発的人気だったブルーシャドーについて。日本人には似合わないのになぜ売れるのか? というルポルタージュで単に「流行っているから」ではないか、と、ワンパターンで自分らしさがない画一的なメークになりがちだった80年代の女性に警鐘を鳴らしています。
ちなみに1970年代初期の『anan』のメイク特集は「初めての化粧」といった具合にメイクの基礎を紹介するものが多く、次第にアイメイクに焦点を当てたり、着こなしとメイクという組み合わせの提案にバージョンアップしていきました。女性の化粧は世相を反映しているといわれます。『anan』はメイクを通して世の中の動きを敏感にキャッチし、読者の生き方も提案していきました。

Contents

6
プチアンアン●週間雑話倶楽部
8
アンアン・ルポルタージュ
やめてほしい外人かぶれメーク
14
メークの常識を怒る!
20
●化粧に関する2つの考え方 ナチュラル・メーク派VSメークアップ派 自分を生かすか、自分を変えるか
24
メークアップはパレット時代に?
26
ビューティー情報
29
白書|女の職業|8 広告で働く女 人に会うのが好き。言葉づかい、服装に気を遣う。
38
ANAN CLINIC ストレートヘアからパーマ時代へ
「パーマをかけたら男の視線が気になりだした」
49
おしゃれ身の上相談●北原明子
51
仲世朝子のジンジャールーム●ランジェリー
52
堀内誠一の空とぶ絨緞22●ソ連へ4 スターリンが生れた町
55
ELLE ジャージーでフルフル
63
VITAL
お腹をすっきり美しく
69
L’HOMME ANAN ビューティ・アーチスト大竹政義
72
私生活●高樹澪
74
いんたびゅう●荒牧加代子
78
冬の北海道●映画「駅」の旅
84
ジャスト・ミュージック●ゴーゴーズ
87
レコード/コンサート
88
食いしん坊●稲越功一の7店
91
ファッションニュース●フランスのライダーたちも
93
ホロスコープ●エル・クインカーラ
94
映画●「ミッドナイト・クロス」●渡辺祥子
95
舞台●北林谷栄
96
インフォメーション
97
●柄本明
98
アンアンミニコミ
100
ニューオープン

1982年1月29日発売(2月5日号) No.318