1980年代に誕生した『anan』伝説の3大特集、最後は「イイ女・ヤナ女」特集、のちの「好きな女・嫌いな女」特集です。創刊初期、異性ウケより自分ウケを何よりも大切にしてきた『anan』。ファッション、ヘアメイク、仕事等、どうすれば自分がいちばん自分らしく輝けるのか、ということを提案し続けていました。1980年代に入ると、恋愛特集や芸能人が登場する特集が増えますが、ベースはあくまで「自分が主役」。だから、読者にとって、自分と同性である女性に対する評価は非常にシビアだったのです。
そんな『anan』読者が選んだ初代「イイ女」第1位は、この特集号の表紙を飾っている浅野温子さんでした(ちなみに第2位は松任谷由実さん、第3位は小泉今日子さん)。ピックアップしたページのインタビューの中で浅野さんは「自分に心地いいことだけをやってきた。その生き方がたまたま時代の要求に合っただけ」と語っていますが、これこそまさに『anan』読者が憧れた生き方ではないでしょうか。つまり、この頃の「イイ女」とは、人気があることはもちろん、その人のもつセンスや個性がいかに自然体であるかというところがポイントでした。また、逆に「ヤナ女」はその人のファッションや言動等が男性ウケだけに向けられたな女性が選ばれがちでしたが、そこには自分ウケを大切にしてきた読者にとって、モテることへの“羨ましさ”も見え隠れしています。
その後「イイ女・好きな女」は、バブル崩壊後の不況が長引いている頃には、山口智子さんのようにサバサバとしていてかつ、大きな口を開けて笑う力強い女性が支持され、21世紀に入ると松嶋菜々子さんのように柔らかい印象の女性が支持されました。つまり、『anan』で選ばれた「イイ女」とは世の中全体が求めている人物像で、時代ごとの女性のロールモデルだったのです。
Contents
- 5
- 岡崎京子の4コマ好奇心
- 6
- 読者のアンケートで選ばれた、5人の「イイ女」たち。 ●浅野温子さん●松任谷由実さん●小泉今日子さん●いしだあゆみさん●浅野ゆう子さん
- 16
- いちばんイイ男、田原俊彦の「イイ女・ヤナ女」
- 18
- イイ男たちから、「イイ女・ヤナ女」へ言いたいこと。
- 22
- 林真理子さんの実感的イイ女・ヤナ女論女性誌が「イイ女」をつくる。
- 24
- 松田聖子は、ヤナ女か? イイ女か?
- 26
- 中森明菜は、女から見ると「イイ女」なのか。
- 28
- ニュースキャスターが、「イイ女」だけとは限らない。
- 30
- テレビCMに登場する、「イイ女」予備軍たち。
- 33
- anan ANTENNA
- 46
- 男のリレー座談会 覆面業界男たちの場合 噂のイイ女・ヤナ女、本当はどうなのか。
- 48
- エリートサラリーマンの場合 仕事をしたいイイ女、仕事をしたくないヤナ女。
- 50
- 大学生の場合 サークルや旅行でわかる、イイ女・ヤナ女。
- 52
- アンアン・チャート 自分で気がつかない、イイ女・ヤナ女度をチェックする。
- 54
- 映画・TVドラマ・まんがのキャラクター どこか憎めない、かわいい「ヤナ女」たち。
- 56
- 次号予告
- 87
- 女の読者が選んだ、「ヤナ女」のヤナ部分。
- 90
- おすぎとピーコが分析、読者アンケート調査の結果。
- 92
- 女だから言える、女にとっての「イイ女・ヤナ女」
- 94
- 大人の男の座談会 男が女を、「ヤナ女」と思うとき。
- 96
- ありがとう700号! 700号記念特別企画 アンアンが厳選した、お楽しみプレゼント!
- 101
- 特別とじ込み 「イイ女・ヤナ女」、読者アンケート調査大公開。
- 119
- これからの化粧 自分にも欲しくなる、クリスマス用のギフト
- 121
- 私のからだ 腸をリフレッシュするオリゴ糖。どう摂取する?
- 123
- とっておきの店 「宜蘭」(台湾市場料理)、「シュ・ダイゴ」(仏地方料理)
- 161
- CINEMA
- 162
- ART
- 163
- STAGE
- 164
- BOOK
- 165
- MUSIC
- 166
- LETTER
- 172
- インフォメーション
- 210
- anan ASTROLOGY
- 212
- 景山民夫のDOLPHIN‐EYES(31)
1989年11月10日発売(11月17日号) No.700