1980年代後半「ひとり暮らしのノウハウを身につけよう!」と、女性の独立をサポートしていた『anan』。1990年代に入ると、そのひとり暮らしの部屋をいかに居心地のよいものにするかということに焦点が移り、「インテリア系特集」が頻繁に組まれました。一口にインテリア特集といっても、センスのいい雑貨、収納術、部屋づくりのアイデア、時には『anan』らしく恋人ができる部屋づくり(90年代は『anan』で恋愛系特集がグッと増えた時代)等、さまざまな切り口で特集が組まれました。そして、この頃のこれらすべての根底にあったのは「狭い部屋をいかに快適な空間にするか」ということ。バブルが崩壊し、日本全体に不景気によるどんよりとした空気が流れていましたが、お金がなくても自分の部屋をオシャレにしたいという女性が多かったのだと思われます。
ピックアップしたのはこちらのページ。『anan』のキャラクター、パンダのイラストで知られる大橋歩さんが描いてくださった、おしゃれなイラストです。部屋づくりは、気に入ったインテリアを最初から全部揃えられたら良いのですが、なかなか難しい。ということで、快適に過ごすためには、まず「台所をピカピカに…」という今すぐできるアイデアから「椅子はちゃんとしたのが欲しい」という目標まで紹介されています。少しずつ欲しいものを揃えたり、気分転換にインテリアチェンジしてみたり…多くの読者が『anan』を読んで、狭いながらも自分好みの城を作り上げていったのではないでしょうか。
その後『anan』のインテリア系特集は2000年代に入ると、片付け、掃除が増えて、現在は「最先端の暮らし」という特集へと変化していきました。『anan』はその時代を生きる女性たちの好奇心を着実に捉え、発信しているのです。
Contents
- 9
- 連載 ももこのいきもの図鑑 (18)さくらももこ「マルムシ」
- 10
- 狭い部屋を賢く使う、インテリアを考える。
- 12
- ワンルームを工夫して、使いやすく居心地よく。
- 16
- サイズと機能にこだわって、狭い部屋用の家具を探す。
- 20
- 必ずあるデッドスペースを、上手に生かすアイデア集。
- 24
- 大橋歩さんのイラスト・アイデア すっきりのイメージにこだわって、狭い部屋を住みやすく。
- 26
- スペースは狭いけど、やっぱりベッド? それとも…。
- 30
- 毎日使う小物は、見せる収納で整理する。
- 33
- キッチンのあらゆる空間を、無駄なく使いこなそう。
- 37
- anan ANTENNA 「DGRACE」のパッチワーク風ベルト、「INED」のオーバオールほか。
- 49
- 限られたスペースを、もっと有効に使うQ&A
- 52
- 20人の女性にアンケート 狭い部屋を賢く使う、アイデアと工夫を教えて下さい。
- 56
- 6人のアドバイスを参考に、狭い部屋を快適に暮らす。
- 58
- あなたの普段の生活が、部屋を狭くしていませんか。
- 62
- 次号予告 883号の特集は、「有名人の私生活」です。
- 75
- アンアン読者の部屋を、岩立通子さんがインテリア診断。
- 78
- おしゃれで実用的な、手作り家具に挑戦。
- 82
- 上手な押し入れ収納法で、部屋の狭さを克服する。
- 87
- きれいになる化粧 ペンシルタイプのリップライナーで口元に微妙な表情を。
- 89
- 健康なからだ 寝苦しい夏の夜、心地よく眠るための知識。
- 91
- かならず行きたい店 個性的でチープシックな雑貨や小物が揃った店。
- 103
- CINEMA メイド・イン・アメリカ
- 104
- ART 「植田正治の写真」展
- 105
- STAGE 「ガラスの動物園」
- 106
- BOOK 村上政彦さんのブック・レビューは、「世界の調律」(R・マリー・シェーファー著)です。
- 107
- MUSIC その詞・声・メロディに素直に感動する、女性ボーカリスト3人の「かなわない」魅力。文・いとうせいこう
- 108
- LETTER 「私が、さよならを決意した瞬間」(5)
- 116
- INFORMATION
- 154
- anan ASTROLOGY 7・26—8・1
- 156
- 連載 君は、どこでこのページを読んでいるのだろう。秋元康 No.18「僕たちは相性に負けたんじゃない。」
1993年7月23日発売(7月30日号) No.882