コンプレックスを克服する

多くの人が持っているであろう「コンプレックス」。『anan』はこのようなセンシティブな内容も取り上げました。1997年3月7日発売の『anan』No.1060の特集は「誰もがもっている、コンプレックスの克服法。」。コンプレックスをもっているのは自分だけではない、そして努力次第で乗り越えられると感じさせてくれるタイトルです。ページをめくると、「コンプレックスとは自分の主観だ」という解説に始まり、悩み別解消法、有名人のコンプレックス等、気づきと共感を与えてくれる1冊になっています。

今回ピックアップしたのは、この特集号の表紙も飾り、現在は「総合エンターテインメントプロデューサー」としてマルチにご活躍されるつんく♂さん（当時の表記は「つんく」）のインタビューページ。つんく♂さんがいかにコンプレックスを克服したのかが紹介されています。その中の「コンプレックスがあるってことは　人生の課題があるということ。何もない人生より恵まれていると思う。」という言葉は、今でも私たちの心に響いてきます。ちなみにこの特集号発売直後にテレビ番組で「女性ボーカリストオーディション」が始まり、「モーニング娘。」が誕生しています。
「コンプレックスの克服法。」は今から20年以上も前のものですが、改めて読み返しても古さを感じさせません。『anan』はファッション誌として創刊され、その時々の最先端を紹介しつつ読者に寄り添っていました。90年代以降は「コンプレックス克服法」のようにいつ読み返しても、その時自分が抱えている悩み解決のヒントとなる特集が増えました。それは各特集ごとに『anan』が独自の切り口で時代を表現してきた、取材力の賜物だといえます。